「典座(てんぞ)」という映画が公開されており、仏教・禅のお心をお話されていた青山俊童さんの新聞コラム(中日新聞1月18日「今週の言葉」)に出あいました。
そこには榎本栄一さんの詩、「私は梅 あなたは桃 花のいのちは どこかで一つになって 融け合っている 融け合いながら 私は梅に咲き あなたは桃に咲く」を味わっておられ、「どこか一つに溶け合っている」というのが、この詩で言えば春の働きであり、天地いっぱいの仏の御働き、御命である。
春は具体的姿を持たないからこそ、すべての上に平等に働きかけることができる。その働きを頂いて人間や動物や植物等すべての存在が、それぞれの命の営みができる。
しかも大切なことは、その事を自覚することができる働きは人間だけだ。
という、深い仏智の味わいを聞かせていただきました。
曹洞宗の道元禅師は『典座教訓』に「六味」という語を示されたそうです。
これは、〈辛、酸、甘、苦、塩〉の五味に「淡味」(そのままの味)を加えたものといわれます。人生の日々も同じ味わいだと感じます。
むしろ辛い・苦い・酸っぱい、塩辛いことばかりで中々甘いことではありません。紆余曲折しながら生きています。
しかし、何処にいても、どのような場にあっても、私たちは仏の道の上を歩ませていただいている、如来の願いにつつまれている私なのだと、今月の詩を聴かせていただきました。![]()
それぞれの持ついのちの存在(淡味)を生かしてまいりたいものだと味わいます。




