仏教学を教えてくださった先生が、自分の師の一人である土橋秀高(つちはししゅうこう)先生のお話を聞かせてくださいました。
土橋先生は大学の教授をされていましたが、定年を前にして退職されます。
ご子息が大学の助教として勤務することとなり、自分はお寺に帰って門徒さんをお念仏喜ぶ生活を送るとのことだったようです。
お寺に帰って1年後、坊守様が突然倒れられ、ご往生されます。この世の無常を強く感じられます。
さらに2年後、今度はお寺の本堂が火災に遭います。しかし「大学をなげうってお寺に帰ってきてくださった。この時にみんなが協力しなければ申し訳ない。」と、門徒さんが本堂再建委員会を結成し、全焼から僅か2年で本堂が再建します。
そして東京に単身赴任で大学の助教をされていた息子さんと突然連絡がつかなくなりました。
なんとご子息は二人の子を残して突然ご往生されたのです。
厳しい別れが続きます。ご子息の一周忌のあと、若坊守さんが二人の幼子を連れて実家に帰られるということになり、若奥さん、孫たちとの別れです。
この時、土橋先生は
「今からは孤独ぞ我は秋空にぽつりと浮かぶひとひらの雲」
これからは本当に一人きりになったんだという寂しさをご自身に対して歌われたようです。
教え子さんたちが、いてもたってもいられず、土橋先生のお寺の本堂にお参りされたとき、色紙に歌が書かれていたとのこと。




