四日市・善正寺前住職のお言葉

 親鸞聖人は末法の時代、地震などの災害、疫病や飢餓、戦乱による荒廃の世、仏教の教えも乱れた世の中にこそ、聞きがたい遇い難い阿弥陀如来の真実の拯(すく)いにあわせていただいたことが尊いと、

苦難の辛さに涙しながらの晩年に、それでも生き往くことへの有り難さを『正像末和讃』に、

「浄土の大菩提心は 願作仏心をすすめしむ すなはち願作仏心を 度衆生心となづけたり」「度衆生心といふことは 弥陀智願の回向なり 回向の信楽うるひとは 大般涅槃をさとるなり」

と偈(うた)われました。

 どんなときもすべてのいのちに(この私に)阿弥陀如来は「まかせよ、すくう」との願いをかけ、喚び続け、はたらき続けてくださっています。
 聞くそのままに、私は浄土にまいらせていただきます(願作仏心)、あなたもともにまいらせていただきましょう(度衆生心)との心が生じ、念仏申されるのですとのお示しであります。

 仏教の教え・浄土の教えは、自分の欲望を満たすものでもなく、現実からの逃避でもありません。人生の深い悩みを乗り越えていく道です。
 誰に代わることもできず、様々な思いや出来事を抱えて歩む道ですから、現実から目をそらすことも、逃げることもできません。

 しかし、如来の願いは私に至り届き(回向)、私とともに歩み、いざないつつ、往くべき道を浄土と指示し、念仏者にお育てくださいます。
 その姿勢は周りの方へも伝わるのでしょう。

 「弥陀は六字にすがたをかえて 私の心に入りたもう 腹立つ山も 涙の谷も み親に抱かれ明るく越える 念仏の道 浄土への旅」

 四日市市小杉の善正寺様の前住職さんがよく味わっておられた言葉が深く沁みいります。   

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